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特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
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19/12/23 藤田早苗氏講演会「世界から見た日本のヒューマンライツ」に100人超(名古屋)

国際人権の専門家である英国在住の藤田早苗さんが19/12/23イーブルなごやにて講演会「世界から見た日本のヒューマンライツ ~ヘイト、ジェンダー、貧困、報道の自由~」を行い、100人超が参加しました。学生も多数参加しました。

藤田さんは、日本の状況に心を痛め、これまで国連に対して制度を用いて秘密保護法案、共謀罪法案を英訳して情報提供し、国連特別報告者による書簡や、日本に対する調査を引き出してきました。
最近では東京新聞望月記者への政府の圧力についても国連に伝えました。
特別報告者は、日本を「クリティカルフレンド」(批判もする友達)と見ていますが、日本政府はただ怒るだけとしました。
また、年2回日本に帰国して、学生や一般の人に「世界から見た日本のヒューマンライツ」の状況を伝えるとともに、全国の学生をハブとしてつなげる活動をしています。

藤田氏は、人権とは「生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権」とする国連の定義を引用します。
日本では「思いやりアプローチ」が人権だと勘違いしている人が多いと指摘し、行政や国家が規定されている国際条約を憲法とともに守る必要があると指摘します。

藤田氏は「人権高等弁務官は『一日2000回呼吸。人権はそういうもの。なくなりそうになってはじめて重要性に気付く。当事者になってはじめてわかったという人が多い』と述べた。また、第二次大戦の反省から、人権は国際関心事になった。」としました。

藤田氏は「先日入管の非人道的な対応を追及する学習会で話したが、企画者から涙を流して『ありがとう』といわれた。国連憲章や世界人権宣言、国際条例は非常に広く、『差別の禁止』だけでなく衣食住すべて入っており、使えるものが必ず入っている。『憲法違反』+『自由権規約違反』は使えることが伝わった。」と述べました。

藤田氏は「国連には『個人通報制度』があり、最高裁の後、国連に訴えることが可能だが、日本は批准していない。
日本はジェンダーギャップ指数が153か国中121位。
先進国の内閣では男女が半々くらいいて、難民、障害者なども入っている。
日本は痴漢について『痴漢に気を付けて』 と、被害者を責めるような議論が横行している。
夫婦別姓訴訟は先日最高裁で負けたが、女性判事は全員違憲判断を下した。国連女子差別撤廃委員会は「条約違反だから改定しろ」と毎回言っている。
個人通報制度があれば、国連に持って行くことができた」としました。

藤田氏は「『後退禁止原則』があり、日本で生活保護支給額を引き下げるとした際、国連特別報告者の4人が共同声明を出してくれた。
震災など正当化できるものがなければ引き下げてはいけない。
一方、桜を見る会や東京五輪などにお金を使い、日本はどうなっているのか」としました。

また、藤田氏はメディアの立ち位置として「学生に聞くと、『権力と市民の真ん中にいるべき』が8割を占めるが、市民の側に立って、権力を監視するのがメディアの役割だ。全世界の政府は権限を手放したくない。
メディアが監視する必要があるが、日本のメディアは自主規制している。
デイビッド・ケイ国連特別報告者は、高市早苗総務大臣の放送法4条に基づく電波停止発言(公平性を欠くと政府が電波停止する可能性がある)に対し、『政府が持つのではなく、独立審査機関を作れ』と指摘した。
また、ケイ氏は『記者クラブも問題だ。情報を持っている政府にすり寄るアクセスジャーナリズムになるおそれがある』と指摘した」としました。

藤田氏は、「ヘイトスピーチについても自由権規約20条『人種差別は法律で禁止する』とあるのに、いまだに禁止する法律がない。
留学生や国連で日本のヘイトスピーチビデオを見せたら『どうして捕まらないのか』と驚いていた。
人種差別発言を受けたサッカー選手は『ちゃんとプレーできない』と述べるなど、いかに心を傷つけるか」としました。

藤田氏は「国連があるジュネーブは日本の物価の3倍。皆さまの貴重なカンパでなんとか行けている。ぜひともカンパを引き続きお願いしたい」としました。

会場から「今年8月、あいちトリエンナーレの『表現の不自由展』が中止となった。これは海外から見て検閲に当たるのか」という質問が出ました。
藤田氏は「トリエンナーレについてはケイ氏に情報提供し、当面様子見とされた。今後、補助金の執行停止についても情報提供をしたい」としました。

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藤田氏の講演後、「『表現の不自由展・その後』をつなげる愛知の会」の岩中美保子さんから、その後の運動について説明がありました。
街頭宣伝の他、愛知県の検証委員メンバーの選出過程がわかる情報を公開請求したところ、文書不存在になったとのこと。
今後も表現の不自由・報道の不自由に立ち向かいたいとしました。

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なお、20/1/5(日)北九州、1/7(火)大分、1/10(金)広島、1/13(月)徳島、1/19(日)大阪で公開講演会を行います。ぜひご参加下さい。
これまでの藤田さんの活動は「日本の表現の自由を伝える会」ページでまとまっています。
https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/

日本への帰国・滞在費用で55万~60万円ほどかかる見込みです。
19/12/23現在、28人1団体から111,600円集まりました。
本当にありがとうございます。
引き続きご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

 郵便振替:口座番号:00870-7-216543
 もしくは ゆうちょ銀行 〇八九(ゼロハチキュウ)店 当座 0216543
 加入者名:日本の表現の自由を伝える会


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19/12/23 藤田早苗氏講演会「世界から見た日本のヒューマンライツ」に100人超(名古屋) _d0011701_15593993.jpg
↑講演する、藤田早苗氏

19/12/23 藤田早苗氏講演会「世界から見た日本のヒューマンライツ」に100人超(名古屋) _d0011701_16004385.jpg
↑挨拶をする、酒井さん


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↑トリエンナーレについて報告する、岩中美保子さん
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↑会場は100人超で満席でした

by beshi50 | 2019-12-23 23:59 | 国際情報部会 | Trackback | Comments(0)