19/7/30 連続セミナー 第1回を行いました
2019年 07月 31日
迫りくる暗黒社会を許さない~ 知らされない現実と向き合おう ~
第1回「集会・結社・表現の自由、通信の秘密が危ない-関西生コン労組大弾圧から考える」
が開催された。
参加者は32名。
中川匡亮事務局長が開会の挨拶としてこのセミナーの趣旨を話し、発題の後の活発な討論を呼びかけた。
発題は当会事務局次長の林 翔太弁護士(関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会の事務局次長でもある)。
1 事件のあらまし
⑴ 関西生コン労組(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)とは
産業別労働組合,闘う労働組合 cf 企業別労働組合
セメント,生コン,ゼネコン,住宅会社
経営協同組合
⑵ 関西生コン労組弾圧事件
① 湖東生コン協組事件(滋賀県警組織犯罪対策課)〔2017年3月〕
恐喝未遂:工事現場での法令違反の調査・是正活動(コンプライアンス活動)
「協同組合の製品の質は安心,安全なので,それを使わないと,大変なことになる」
② 大阪ストライキ弾圧(宇部三菱・中央大阪)事件(大阪府警警備部)
威力業務妨害:ストライキ協力要請(平和的説得)
③ 大津協組事件(滋賀県警組織犯罪対策課)
威力業務妨害:工事現場での法令違反の調査・是正活動
④ タイヨー生コン事件(滋賀県警組織犯罪対策課)
恐喝:カンパの呼びかけに対して,寄付金提供の提案を受けた
⑤ 大津協組事件(滋賀県警組織犯罪対策課)
威力業務妨害:工事現場での法令違反の調査・是正活動
⑥ 村田建材事件(京都府警組織犯罪対策課)
強要未遂,恐喝未遂:団体交渉等での正社員化要求
⇒逮捕者67名,起訴45名(6月29日時点)
さらに6名逮捕(7月17日)(2018年7月18日最初の逮捕から14回目)
3 公判で明らかになった関西生コン労組刑事弾圧の実態:刑事司法の立場
⑴ そもそも「犯罪」ですか?
・「軽微な不備に因縁をつけ」
・「大変なことになりますよ」
・ビラ撒き
・正社員化の要求,保育所に提出する就労証明書への押印を求める
⑵ 人質司法の問題:追加逮捕を繰り返す(委縮効果)
⑶ リーダー不在による組織・運動破壊
委員長はじめ幹部の保釈を容易に認めない
⑷ 労働組合からの脱退工作,労働組合へのレッテル貼り,労働組合間の分断
cf 治安維持法 共産党員の逮捕
⑸ 共謀罪適用のリハーサル:「共謀」に着目した捜査・審理
4 なぜ知らされないのか?:メディアの立場
⑴ メディアは?
報道したのは,産経新聞とNHK
YouTube,Twitter,Facebook(アカウントは,レイシスト集団)
cf 中谷相談役講演会:東海地方の地元メディアは・・・
⑵ 知らないよりも,ある意味恐ろしい ~個人的な実体験を踏まえて~
5 関西生コン労組刑事弾圧事件をどう考えますか?
⑴ 事件が物語る,自身の運動・活動への影響は?
⑵ メディアが伝えない原因は何か?
労働組合が、そして労働運動が、もっといえばストライキが「見えなくなっている」ことへの危機感が多く出された。
また、この弾圧は、個別の府警、県警の判断ではなく、政権中枢の意向であることが見えてくることも語られた。
・そんな今だから、安倍政権は、関西生コンを標的とした弾圧をかけても、大きな反対運動にはならないだろう、と踏んで、元々『目障り』な関西生コン労組つぶしの大弾圧にGOサインを出したのではないか。
・『戦後政治の総決算』を謳う安倍政権の決意を示しているといえるのではないか。中曽根が、1980年代の国鉄分割民営化の本当の目的は国労・動労を潰し、公労協を弱体化させ、総評を潰すことだった、と公言した憚らないところに表れているように、安倍にとっては労働者、労働組合を敵だと考え、闘う労働組合を根絶やしにしたいとこの攻撃に出ている。
・きょうのテーマは「集会・結社・表現の自由、通信の秘密が危ない」である。ここに参加した人たちは、それぞれ「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」以外にもさまざまなグループ・団体で活動している。もっともっと「集会・結社・表現の自由」を発現し、それぞれの運動を強めて、権利えお権利として要求し、闘うことを「当たり前にする」ことがひいては、この弾圧を跳ね返す力にもなるのではないか。
連続セミナー 以後の予定は
◆ 第2回 8月21日(水)
国民監視が強まっている
-迷いネコのビラ貼り検挙から見える
警察による膨大な個人情報データベース作成
◆ 第3回 9月9日(月)
日本の表現の自由、報道の自由は崖っぷち
-国連特別報告者デービッド・ケイさんの
新たな勧告と日本政府の対応
<3回共通>
開 始:18時30分~(開場18時15分)
場 所:名古屋第一法律事務所3F
(名古屋市中区丸の内2-18-22 三博ビル)
参加費:500円
↓ 以下参照