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特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
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19/6/13 「迫りくる暗黒社会」 中谷雄二弁護士講演会に80名超

 6月13日、ウィルあいちのセミナールーム1・2で、「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」の前共同代表で、現在相談役である、中谷雄二弁護士の講演会が行われた。
題して「迫りくる暗黒社会 ―労働運動、市民・住民運動の監視、弾圧をはねかえす」
今現在進行している状況からすれば、「暗いから」「厳しいから」と避けていられない問題である。

司会は、春の総会で事務局次長に就任した林翔大弁護士。

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開会挨拶は抜きで、すぐに中谷弁護士の講演に入った。

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2019.6.13 中谷雄二講演会レジュメ
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota13/190613nakatani.pdf

「安倍の描いた改憲スケジュールは、彼らの思う通りには行っていない。しかし安倍は諦めてはおらず、参院選後に仕掛けてくる可能性はなくなっていない」

「安倍政権は、納税者が納めた税金を、自分達が勝手に使うサイフと考えているようだ」
「特に、軍事大国化に伴う”兵器爆買い”と揶揄されている、米国からの武器購入は凄まじい。」「先日も三沢沖で墜落したF35戦闘機。実に1機116億円という高額で、合計147機も購入すると決めた」「イージスアシュアは本体で2000億円、基地の整備や周辺機器購入などで合計6000億円もつぎ込むという」
「他方、保育所の整備は進まず、自分の孫も入れないで母親は困っている。F35戦闘機1機116億円で認可型保育所が90か所も作れるという。税金の使い道に、もっと国民は怒らねばならないはずだ。」

「従来、専守防衛の自衛隊では保有できないとされていたジェット機の離発着可能な空母を堂々ともつようになってきた。」「2018年3月には陸上自衛隊内に『水陸機動団』という名称の日本版海兵隊を創設した。」
「訓練の内容の面では、島嶼への上陸作戦の共同訓練を重ねている。米国陸軍との市街地戦争訓練も進めている。『日本が侵略されたら防衛する』というのではなく、米軍と一体化して他国で戦争するべく、『装備』も『訓練』も進んでいる。」

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「『戦争できる国づくり』には、国内の反対勢力を圧殺することが必要になる。」「秘密保護法、を作って、政府の重要な情報を国民の目から隠す-秘密保護法の運用は、まさに『何がヒミツか、それがヒミツだ』という状態になっている。同時に、自衛隊情報保全隊、警備公安警察による市民監視は一層強まっている。イラク戦争開始時期の自衛隊情報保全隊による市民監視、大垣市民監視事件。そして迷い犬・猫探しの貼り紙を『屋外広告物条例違反』として指紋やDNAを採取し、事件として立件しなくてもそれをデータベース化している。」
「そして反対勢力とみれば、弾圧に乗り出す。白龍町のマンション反対運動における警察と業者がつるんだのではないかとしか思えないデッチあげ暴行事件もある。表現の自由の行使が『秩序を乱す者=敵』として、取り締まりの対象とされている。


「反対勢力への弾圧として、今、先鋭的に行われているのが連帯ユニオン関西地区生コン支部への弾圧だ。62人も逮捕し、労働組合法を全く無視して《犯罪」を作り上げている。」「分割起訴をし、保釈が認められず、長期勾留が続いている」「共謀罪型捜査-『共謀』の相手方の『自白』をもって起訴し、有罪判決をとる。この手法を利用すれば、『共謀』ということでいくらでもでっち上げが可能となる。」

「秘密保護法対策弁護団、共謀罪対策弁護団として、海渡弁護士と一緒に大阪地裁を訪れたとき、公判を傍聴した。協同組合サイドで動員された人が長い列をつくっていて、1時間半も並んでようやく公判を傍聴できた。裁判官が『検察は、起訴事実をどうやって立証しますか』と聞いたら『ビデオで立証します』と答えたので、『どういう内容のビデオですか』と重ねて尋ねたら『まだそのビデオは見ていません』と検察が答えた。思わずのけぞった。そのくらいずさんな起訴が行われている。」
「この後、海渡弁護士と一緒に記者会見を行った。TVも含めて各社の記者が来ていた。質問も出た。しかし翌日の新聞には報じられていない。この事件では、メデイアが沈黙している。」

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関西生コン弾圧事件-何が犯罪とされているのか? (レジュメ参照)
 ①大津地裁 湖東協事件(恐喝未遂・威力業務妨害)
 ②大津地裁 大津協事件(威力業務妨害)
③大津地裁 タイヨー生コン事件(恐喝)
 ④大阪地裁 宇部三菱SS・中央生コン事件(威力業務妨害)
  
「まず、共謀罪型捜査・立件がなされていることが重大。まず協同組合役員を逮捕。組合と共謀したという自白をとって、関生支部委員長・副委員長・執行委員二人の逮捕した。」「保釈を認めない理由として『罪証隠滅のおそれ』という。その対象は『共謀の構造』であり、罪証隠滅の方法は『共犯者との通謀』だという。『近況報告を装った隠語による証拠隠滅連絡』を理由として集会アピールの発信まで禁止している。」「仲間同士のコミュニケーションに関わる一切を捜索押収している。電話履歴、メール、チャット、インターネットのアクセス記録 スマホなど。関生支部の組織と運営・活動に関する資料。会議録、弾圧対策のレジメまで。」
「憲法28条に由来する労組法を無視している。上記④宇部三菱SS・中央生コン事件が典型例だが、勾留理由開示公判で、勾留裁判官は労組法1条2項(刑事免責)は考慮していないと明言 「ストライキ」協力を求めるための平和的説得活動は、威力業務妨害、恐喝罪とならないという確立した判例も無視して検察の言うなりに身柄拘束を続けている。」

「日本はすでに法治国家とは言えない状況になってしまっているようだ。」「なぜこんなことが罷り通るのか。それは多くの人がこんな事実を知らないからだ。既成メディアが報じないから、一般市民は知りようがない。」

「捜査の意図的な長期化、身体拘束の意図的な長期化によって、明らかに組合潰しを画策している。組合員だけでなく、家族に対しても圧力加えている。」「大量の分割留置、分割起訴で、防御権行使も困難性を極める、頻繁な打ち合わせのための接見もできない。」「被害届けを出さない『被害者』に圧力をかけ、警察に抗議宣伝中の街宣車に対して『家宅捜索』を行い、現・元組合員に対する大量呼び出しをかけ、また家族に対して、検事が『組合をやめないといつまたこんな目に遭うかわからない』と脅すことまで行っている。」

「客観的に犯罪とならない行為を、共謀を理由に処罰しようとしている。虚偽でないビラ配布も「業務妨害『目的』」があるとし、何でもない言葉も「恐喝『目的:』」があるとして威力業務妨害、恐喝罪としていく。行為ではなく、内心のありようで処罰をしようとするのは近代刑法の原則を蹂躙するものだ。」
「こうした労働組合の組織潰しの弾圧を許せば、労働組合活動に対する萎縮効果は明らかだ。」
「一連の関西生コン弾圧に対して、『関西生コンのやり方はウチとは路線が違う』『あそこの組合はやりすぎだから、弾圧されるのだ』といった言説が労働組合の中からも出ている。しかし『路線が違う』とか『やりすぎかどうか』が問題なのではない。
「すでに労働組合はストライキ、職場での争議、果ては団交すらできない状態になっている。関西生コンへの弾圧が通ってしまえば、使用者と一体化した御用組合以外の労働組合は存在できないような状況に追い込まれてしまう。」

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「既成メディアが沈黙する中でも、こうした状況を多くの人に知らせ、弾圧に遭った人や家族を支えるためにも、どうしても運動を作っていく必要がある。」「6月29日には、『関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会(仮称)を立ち上げる予定だ。」

<参照>
「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」準備会)
https://kannama-tokai.jimdofree.com/


「国会を取り巻くデモを『テロと同じ』と公言した与党政治家がいる正当な表現活動も『違法視』する意識が権力者にはある。市民運動や裁判闘争支援の運動など、それが危険と見なせば、街宣活動やビラ配布を威力業務妨害や恐喝とされる恐れがある。大垣市民監視事件では環境保全の市民運動を危険視し、白龍町事件:マンション建設反対運動のための住民運動もでっち上げの対象になった。」
「戦前の歴史を繰り返すのか?戦前、『暴力団対策』のためと導入された暴力行為処罰法は、労働組合活動や農民運動の弾圧に利用された。」「社会から自由がなくなり、権力による恣意的な弾圧を許した結果が行き着く先を私たちはすでに経験したはずではないか。同じ過ちをもう一度繰り返すのか。」「関生弾圧では、ヘイトスピーチを繰り返す勢力が手先として使われている。戦前型の支配も末端ではならず者が使われた。同じ構造が進行している。」

「労働組合も、企業の終身雇用も、旧来の地域コミュニティも崩壊して、いまは国民はバラバラにされている。その社会統制の手段として「監視」が強まっている。」「バラバラにされて不安な心理につけ込んで、“見守り”“監視”市民の側から望む風潮がある。」「わすかな『安心』のために、自ら監視され、個人情報のすべてを公権力に差し出すようで良いのか?」

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「そもそも国家はなんのためにあるのか?社会契約の意味-隣人による「暴力」やいやがらせを防ぐために、国家を設立したはずだ。ヨーロッパ中世では、国王も法の下にあり、法に反した場合、合法的に国民に抵抗権が認められていた。絶対王政も絶対ではなかったのだ。しかし、曲がりなりにも民主主義が機能しているとされる近代国家では、国民が国家権力を選んでいるということになるので、明文的な『抵抗権』はカゲを潜めてきた。しかし民主主義的手続きを踏んで成立したはずの政権が、化け物のような独裁政権となって、戦争を引き起こし、多くの人を殺戮したナチスドイツの経験を経て、改めて抵抗権を位置づける説も出てきた」「現代の国家では、国家権力による圧倒的な権力の集中がある。守ろうとしたものと差し出したものの大きさの余りにも大きな落差がある。」
「国家が契約に違反した時、国民には抵抗権利、いや抵抗権行使の責務があるのではないだろうか。」「日本国憲法97条は、憲法が保障する基本的人権は『現在及び将来の国民から信託されたもの』であると規定している。人権を引き継ぐ責任があるのだ。憲法12条は、不断の努力によって守り、引き継ぐ義務を国民に課している。」
「今は、抵抗の時ではないのか?街頭にでること、選挙に行くこと、権利侵害に直面した時に闘うこと、闘っている個人、集団を応援すること、そのためのツールを持つこと。(市民メデイアをもつことも)」


若干の質疑、会場からの発言等の後、本秀紀・共同代表が閉会挨拶を行った。

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「香港では、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする『逃亡犯条例』改正案に反対して、若者を中心とした大規模なデモがあり、負傷者も出ている。『これが通れば香港が香港でなくなってしまう。自由と民主主義が根こそぎ奪われる』と。」
「日本でもそれに呼応する若者の動きがある。『香港の自由と民主主義を守る緊急行動』と銘打っている。『自由と民主主義のための学生緊急行動-SEALDs』を意識したネイミングだ。」「今の安倍政権のやり方を許せば『日本が日本でなくなる』。憲法が謳う『自由と民主主義を基調とする日本』がなくなってしまう。」
「すべての労働運動、すべての市民運動は繋がっている。『秘密法と共謀罪に反対する愛知の会』の総会でお招きした金平さんが『自由は繋がっていく』と述べている、自然には繋がらない、『自由を繋げていく》意思と行動があって繋がっていく。分断に抗して繋がって行こう。」




by beshi50 | 2019-06-13 23:59 | お知らせ・報告など | Trackback | Comments(0)