秘密保護法法令協議情報公開訴訟 最高裁で敗訴確定
2017年 11月 06日
http://www.jkcc.gr.jp/data/171024.pdf
・17/2/23 名古屋高裁敗訴 http://www.jkcc.gr.jp/data/170223.pdf
・15/10/15 名古屋地裁敗訴 http://www.jkcc.gr.jp/data/151015.pdf
・情報公開市民センターは、訴訟通信を17/11/6に出しました。
秘密保護法情報公開訴訟通信(最終版)
http://www.jkcc.gr.jp/data/171106.pdf
ご支援いただきありがとうございました。
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・情報公開市民センター 秘密保護法ページ
http://www.jkcc.gr.jp/menu6.html
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2017年11月6日
訴訟代理人の皆様 各位
支援者の皆様 各位
原告情報公開市民センター
理事長 新海 聡
(連絡先: 0564-83-6151)
秘密保護法情報公開訴訟通信(最終版)
〜最高裁決定でました〜
1 今年10月24日付で、最高裁判所第三小法廷(林景一裁判長)は、上告棄却、上告受理申し立てを受理しない、という決定をしました。これにより、私たちの請求を認めなかった、今年2月23日の名古屋高裁の判決が確定しました。
2012年11月12日に提訴後、代理人として支えてくださった皆様に感謝申し上げます。
2 この裁判は、情報の公開によって国民の間に不当な混乱が生じたり、秘密保護法の立法の意思決定の中立が害されることを理由とする当初の内調の不開示決定について、このような判断は情報公開法の説明責任を無視するものだ、として提訴したものです。ところが内調は、2013年に秘密保護法案を国会に上程後、多くの情報を開示するとともに、「不当な混乱」の主張を引っ込め、不開示情報については、法5条3号の「諸外国との信頼関係を害する恐れ」、といった、当初主張していなかった不開示事由に差し替えました。内調は、なりふりかまず不開示の主張を展開したといって良いでしょう。
3号該当性が争点になったことにより、不開示判断について行政機関の裁量が認められることとなりました。そのため、「諸外国との信頼関係を害するおそれ」について、私たちには、そのような判断には合理性がないことを立証する必要が生じました。その手段として、個々の不開示文書の機密性や情報セキュリティ上の対策を主張、立証しましたが、裁判所は私たちの主張を受け入れなかった、というわけです。
3 わが国では原則として、国会上程前の法案やその各省庁との協議の情報については公開しない、という運用がなされています。本件は、当初、そうした運用が、行政の説明責任や、市民の知る権利からは許されないのだ、ということを明らかにすることを目的としました。しかし、すでに述べたように、途中で国が主張内容を変更したため、当該運用の当否について最終的に裁判所が判断する機会とはなりませんでした。
ところが、国は共謀罪の審議でも同様の方法を取っています。すなわち、国会上程前には、省庁間での協議文書はほぼ、開示してきませんでした。しかも、国会での法案審議のすすめ方も拙速で、最後は採決の強行という、民主主義国家のあり方として到底是認できない方法をとったことは、この秘密保護法の制定過程と共通します。
4 市民の人権を侵害する法案が次々と国会での拙速な審議によって通過してしまうーそういう民主政の形骸化に対しては、国会上程までに審議の情報の開示を国に認めさせることの必要性が増しています。この裁判で敗訴したからといっても、国会上程前の法令審査の情報が、国民の間に不当な混乱を生じさせることを裁判所が認めたわけではありません。このような国会運営がなされているからこそ、私たちは今後も国会上程前の法案の審議情報の公開を目指していくべきだと思います。
これからも、情報の公開を求める運動に対するご賛同とご協力をお願いいたします。
(了)
