第1回連続学習会 刑法から迫る共謀罪の本質(名古屋)に120人
2017年 05月 11日
会場がいっぱいで、資料が足りなくなるほどでした。
・配付資料(平川先生レジュメ)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/himitsu/170511-1.pdf
平川宗信さん(名古屋大・中京大名誉教授(刑法))は、大変わかりやすく、刑法の原則と、共謀罪がいかに原則と異なるか、テロ対策に共謀罪は全く意味がないことを明らかにしました。
憲法と刑法の関係、刑法の基礎にある人権保障機能と本来、憲法が目指している個人の尊厳、幸福追求権を保障するためにつくられる筈の法律が、本来の市民の人権を守るための市民刑法だけでなく、国家の体制を守るための治安刑法があること、市民刑法も治安刑法として運用される(機能的治安刑法)ことなど、キチンと憲法と刑法の関係を整理していただき、共謀罪が近代刑法の原則にどう違反するかを丁寧にわかりやすく講義していただきました。
にもかかわらず、市民が「市民刑法」と「治安刑法」の違いを誤解しており、政府は「治安刑法」としての共謀罪導入を図っているのに、市民が「市民刑法」としての共謀罪導入を歓迎している構図が見られるとしました。
詳細は後日ネットに掲載します。

講演に先駆け、瑞穂区白龍町高層マンション建設を巡る住民運動への刑事弾圧事件の被害者の方から報告がありました。
白龍町の奥田さんの発言は、何もしていない自分が何故逮捕されるのか、しかし、勾留中の取り調べでは自分の記憶が違っているのではないか、警察官が言うことが正しいのではないかと思って瞬間があると経験した人でない怖さを感じさせてくれる報告でした。捜査機関が一方的に犯罪集団と決めることの怖さ、当たり前と思っていることをやっていても犯罪とされることの恐ろしさなど共謀罪ができた後の事にも触れていただき、大変よい報告だったと思います。

最後に、共同代表の中谷雄二弁護士は、「「共謀罪 以前と何が違うのか」を発表したとおり、条文はほぼ前と同じだが、自民党内部での異論が出てこないことと、マスコミが大々的な抵抗ができない状態になっていることが異なる。市民が国会外で反対の声を上げることで、野党を激励することになる」とし、会期末とされるあと1ヶ月間、全力を尽くそうと呼びかけました。
・中谷弁護士呼びかけ
http://www.nagoya.ombudsman.jp/himitsu/170510.pdf

「「共謀罪」阻止 緊急行動・あいち」が賛同団体・個人を募集しているのでひ賛同して欲しいと呼びかけがありました。
https://kyobozaisoshiaichi.jimdo.com/
また、今後さまざまな行動があるので、一人でも多くの人を連れてこようと呼びかけました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/himitsu/170512.pdf
今後も連続学習会はあります。ぜひご参加下さい。
http://nohimityu.exblog.jp/26599738/
・第2回 5月25日(木)18時半~
憲法から迫る共謀罪の本質 講師:本 秀紀さん(名古屋大学教授(憲法))
・第3回 5月29日(月)18時半~
治安維持法から迫る共謀罪の本質 講師:内田博文さん(九州大学名誉教授(刑法))
・特別編 6月6日(火)18時半~
日本の表現の自由とメディアと「共謀罪」~国連特別報告者・調査報告をふまえて
講師:藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー(国際人権法))

