15/4/24学習会「個人通報制度って、何?」のご報告
2015年 04月 25日
秘密保護法から自由を守れ!「個人通報制度」って何?を
アムネスティ日本と共催で開催しました。
◆はじめに、アムネスティインターナショナル日本のメンバーからご挨拶をいただきました。
アムネスティインターナショナルは、国境を越えて人権侵害を防ぐ活動をしている世界的な団体です。世界に200万人の会員サポーターがいるとのことです。個人通報制度に関する説明と期待についてお話がありました。
◆小坂田先生の講演
第二次世界大戦前は、国際法は、国家と国家との問題を規律するもので、人権は国内法の問題とされてきた。しかし、第二次世界大戦中に、国内で人権侵害を行う全体主義国家が、国際的な侵略を行いました。人権侵害をうけたその国の人たちはどうしたらよいのかという、問題意識がうまれました。
国連は、世界人権宣言ののちに、1966年国際人権規約として社会権規約と自由権規約を採択、1976年に発効した。
自由権規約の実施を監視する制度の一つとして個人通報制度がある。
個人が、国内の救済措置を尽くした後に、自由権規約違反に関して、自由権規約委員会に対して通報することができるという制度である。通報を受けた委員会は、審査をし、条約の違反があった場合に是正措置を勧告するという仕組みです。
日本政府は、1979年に両規約に批准しながらも、第1選択議定書に批准していないので、日本に住む人々は個人通報制度を利用することができない。
韓国の国家保安法違反事件に関する事例を参考にすると、日本に住む人々が個人通報制度を利用できるようになった場合にも、自由権規約委員会の勧告が国内で法的拘束力がないという障害がある。
個人通報制度は、魔法の杖ではない。しかし、①国際人権基準が明らかになり、国内の世論が形成され、法改正が必要だという流れができる可能性がある、自由権規約が法改正に向けた活動の正当性を持つ武器となる、②韓国の下級審判決の中で、自由権規約委員会の自国に対する見解を引用した事例もあり、日本が第1選択議定書を批准して、日本に対する見解が出るようになれば、法曹関係者の意識に変化が生じる可能性もある。
大事なのは、これから市民が、個人通報制度について知り、導入することを希望する世論が形成されることではないか。
◆質疑応答
会場には、60人が集まりました。
会場からは、
・日本は条約に批准しているのに、裁判所が条約を考慮した判決をしないのが問題なのではないか。
・個人通報制度の手続、審査に関する質問
・憲法98条2項は、日本国が締結した条約を誠実に遵守する、とあるのに、日本政府が司法権の独立を脅かすといって、条約の実効性を高める個人通報制度に批准しないのは、都合がよすぎると思う。
・ぼうっとしているうちに人が生きていくことが大変な状況になっていってしまう、毎日の忙しさにかまけてはいけないでわたしたち市民も考えていかなくてはいけない
・個人通報制度を批准する内閣を誕生させなければならないという問題意識
などが寄せられました。
小坂田先生が一人一人の質問に丁寧に答えてくださり、理解が深まりました。
また、民主党政権時代に個人通報制度に批准しようとする動きがあったのですが、自民党政権になった後、無視されてしまったということでした。
◆民主党衆議院議員 立憲フォーラム代表 近藤昭一さんの挨拶
国会では少数派になっているが、頑張っていきたい。
◆愛知の会中谷共同代表の挨拶
われわれは、どこに立たされているのか。
秘密保護法が施行され、戦争立法がつくられようとしている。
今、ここでわれわれが立ち上がらなければ、戦争する国になる。
運動で、安倍内閣の動きを止めなければならない。
☆今回、学習会を共に企画してくださったアムネスティ日本のみなさまに感謝申し上げます。
4月28日から、いよいよ、連続行動が始まります。賛同人参加者募集中です。
現在360人をこえる市民の賛同人が集まっていて、増えていく状況です。愛知県に住所がなくても、当日参加できない人も、賛同人になって頂けます。賛同人になるのに資格は不要です。一人一人の声を束ねて、社会に発信しましょう。