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特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
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「決まってからでないと公開しない」 〜処分見直しにみる国の姿勢を批判する

NPO法人 情報公開市民センター 理事長の
新海聡弁護士は、秘密保護法制定過程の
情報公開に関し、14/5/1に下記文書
 「決まってからでないと公開しない」
 〜処分見直しにみる国の姿勢を批判する
を発表しました。

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「決まってからでないと公開しない」
〜処分見直しにみる国の姿勢を批判する
情報公開市民センター理事長  弁護士 新海聡

 秘密保護法に関する立法過程の文書の開示請求を国(内閣情報調査室)にしたのは2012年3月。請求をうけた国は1994枚の対象文書のうち、文書の内容が不開示とされたものは1382枚に上った。
 その理由はおおきく分けて二つ。まだ制定されていない法律に関する検討資料や法律案が明らかになると、国民の間に不当な混乱が生じたり、立法作業が外国勢力などによって妨害される、というものと、外国から入手した情報は外国との信頼関係を害するので、公にできない、といいうものだ。名古屋地裁に提訴した不開示処分取消訴訟では、不当な混乱とは何か、外国との信頼関係を害することなどあるのか、といったことが当然に争点となっている。
 ところが、当の秘密保護法は2013年12月に成立してしまった。もはや、成立していないことを不開示の理由とすることはナンセンスだ。不開示処分を見直せ、という私たちの要求を受け、国も本年1月、2月に、以前の不開示処分を見直し、あらたな処分をしてきた。
 その結果、法案審議の内容やその資料で不開示のまま残されているのは1994枚中75枚となった。では、いまだに国が不開示にこだわる75枚の文書の中身は何か。
 外国政府から入手した情報は依然、この中に含まれるが、それ以外はほとんどが適性評価に関する政府内での検討資料だ。決まってないものは開示しない、という理由から、適性評価の実施基準や実施方法などを秘密保護法が政令に委任していることを踏まえたものであろう。しかし、既に法律は制定されている。政令の制定過程で「未成熟な検討内容が政府の最終的な方針であるとの誤解や憶測を招きかねないこと」、「未成熟な関係省庁の意見が当該省庁の最終的な見解であるとの誤解や憶測を招きかねないこと」によって国民の間に混乱が生じる、という国が想定した事態が生じることは、おおよそあり得ないはずだ。
 結局、最終的に意思決定をするまでの間の情報は反対世論が発生しないように、すべて不開示とする、という姿勢を国はここで明確に打ち出してきたのだ。この姿勢が秘密保護法制定後の不開示の連鎖の一つかどうかについては、外国政府から入手した情報の不開示についてどのような説明をするかも含め、次回期日までに行われる国の主張に注目すべきであるが、すくなくともこれが、情報公開法1条のいう「政府の有する諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資する」という目的と敵対することは明らかだ。秘密保護法は政令や政府の決定に委ねられた事項が極めて多いことが批判の対象となっている。だからこそ、政令や政府に決定が委ねられた事項に関する情報が公開される必要があるのだ。政令制定過程を、私たちは注視しないといけない。
(了)

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・情報公開市民センター 秘密保護法特設ページ
 http://www.jkcc.gr.jp/menu6.html

☆当初決定
 http://www.jkcc.gr.jp/data/kanbo120528.pdf
http://www.jkcc.gr.jp/data/120927.pdf
・平成23年8月分開示文書 http://www.jkcc.gr.jp/data/H23-8.pdf
・平成23年9月分開示文書 http://www.jkcc.gr.jp/data/H23-9.pdf
・平成23年10月分開示文書 http://www.jkcc.gr.jp/data/H23-10.pdf
・平成23年11月分開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/H23-11.pdf
・平成23年12月分開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/H23-12.pdf
・平成24年1月分開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/H24-1.pdf
・平成24年2月分開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/H24-2.pdf
・平成24年3月分開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/H24-3.pdf

☆変更開示決定
 http://www.ombudsman.jp/data/140120.pdf
 http://www.ombudsman.jp/data/140226.pdf
不開示のまま残っている75枚
 http://www.ombudsman.jp/data/kou28-34.pdf
「決まってからでないと公開しない」 〜処分見直しにみる国の姿勢を批判する_d0011701_13564675.jpg

変更開示を受けて新たに開示された部分(赤枠)
・H23.8 http://www.ombudsman.jp/data/H23-8-3.pdf
・H23.9 http://www.ombudsman.jp/data/H23-9-3.pdf
・H23.10 http://www.ombudsman.jp/data/H23-10-3.pdf
・H23.11 http://www.ombudsman.jp/data/H23-11-5.pdf
・H23.12 http://www.ombudsman.jp/data/H23-12-3.pdf
・H24.1 http://www.ombudsman.jp/data/H24-1-3.pdf
・H24.2 http://www.ombudsman.jp/data/H24-2-3.pdf
・H24.3 http://www.ombudsman.jp/data/H24-3-3.pdf
by beshi50 | 2014-05-01 14:19 | 法令協議情報公開訴訟 | Trackback | Comments(0)