秘密保全法制有識者会議報告書最終案 委員4名は承認回答なし 情報公開審査会答申
2013年 07月 18日
秘密保全法制有識者会議の報告書の最終案について、
委員1名からの承認のみ存在し、残り4名の回答を得ていないことを
明らかにしました。
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h25-02/087.pdf
これは、「軍事問題研究会」が、「『秘密保全のための法制の在り方について
(報告書)』が秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議において
承認されたことを記録した文書の全て」の開示を求めたことに対し、
不存在だったため再特定を求め審査請求していた件です。
「軍事問題研究会」は、2011/6/10に開催された第6回有識者会議での報告書案が
会議当日に了承されておらず、事務局がまとめ直して2011/8/8に最終報告書と
されたのはおかしいと主張しています。
なお、2011/6/10報告書案と2011/8/8最終報告書を比較すると、6/10報告書案には
記載されていた、特別秘密の漏えい等事件の公判において「秘密を守りつつ
公判での立証を支障なく行う」方法として持ちだされた「外形立証」という部分が、
8/8最終報告書からは削除されています。
審査会答申の中で、2011/6/10に開催された第6回有識者会議における
委員の意見を反映させた報告書案を、有識者会議事務局である内閣情報調査室が
5名の委員に送付した後、委員の1名からは電子メールでの回答が届いたものの、
上記以外の4名の委員からは特段の回答を得ていないとしました。
内閣情報調査室は答申の中で「委員及び関係省庁に対する意見照会を行った
結果、特段の意見がなかったことから、報告書最終案が有識者会議で
了承されたと判断し、同案をもって報告書とすることとした。」とあります。
2013/8/28東京新聞記事には、「内調の担当者は『事務局による報告書案の
修正は、修正後に有識者会議の五委員全員の承認を受けており、問題はない』と
主張する。」と記載がありますが、虚偽の主張であったことが判明しました。
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参考
・2011/6/10 報告書案(第三次案からの修正見え消し)
(NPO法人 情報公開クリアリングハウスが情報公開請求で入手)
http://clearinghouse.main.jp/web/himitsuhozen6-3.pdf
・2011/8/8 「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jouhouhozen/housei_kaigi/pdf/10110808_houkoku.pdf
・2012/8/28 東京新聞
秘密保全法制の有識者会議報告書 「秘密裁判」を削除
公表前 最後の会議の後に
憲法に抵触の恐れ 証拠提出なら秘密ではなくなる…
弱点隠すため官僚主導か
・軍事問題研究会『軍事民論』第520号(2012年8月1日発行)