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特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
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「秘密保全法」の目論見に思う

「秘密保全法に反対する愛知の会」メンバーが、戦時中の自らの体験を
踏まえて、秘密保全法の目論見について以下記載しました。
「秘密保全法に反対する愛知の会」ニュース「極秘通信」第1号
(12/11/19発行)に掲載しました。
http://nohimityu.exblog.jp/18821278/


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「秘密保全法」の目論見に思う

今、日本は隣国との関係で“四面楚歌”(八方ふさがり)の状態にある。そこへ持って来て、従来から国会上程・施行の目論見のあった“秘密保全法”が実現したら、どうなるか?戦中派としての経験から推測する2、3の事実がある。

対外的な情勢が悪化すると、対内的な締め付けに向かう
戦時中の軍国少年であった私は、敗戦の前年暮、江田島の海軍兵学校を受験した。従来、海兵の試験官は、問題用紙を抱えて全国に散り、旧制中学校を会場に選抜試験を実施していた。ところがこの時に限って、全国8万人の受験者を書類選考で1万人位に絞り、これを対象に広島県江田島の本校で学科試験を課した。引率の先生も含めて旅費も、宿泊費も海軍の負担で、銀飯(白米)の海軍食を食わせて本校を見学させてくれるというので、大いに張り切って出掛けたことはいうまでもない。ところが受験の合間に垣間見た先輩生徒の訓練ぶりは、予想に反して溌剌としたものではなくて、引きつって硬直した顔で傍目もふらず、まるで囚人の駈け足の列を見るようだった。生徒の中には厳しい制裁と締め付けでノイローゼ気味になり、退学したものもあったという。あるいは自殺者も出たのかもしれない。後で考えてみると、あの時機は、レイテ海戦の大敗北で大部分の軍艦を喪失した直後だったのだ。水兵たちの訓練に至っては、城山三郎氏の証言によると、“海軍精神注入棒”(通称バッタ=樫の棒)で連日尻を出血するほど殴られて悲惨な体験だったという。
 つまり、対外関係が悪化すれば、政権の不満は内攻して、締め付けが強化するということだ。

対内的な締め付けが行われると、国民同士での対立も生じる
もう一つ・・・士官の間では、主流派の海兵卒と学生出身の予備仕官の対立(入学後の共感の中に察知できた)が露わになり、後者は軍帽の針金を鳥追い笠風に曲げてマドロス風にするのが流行りだした。一種の反抗的気持ちの表現だったかもしれない。結果として、退廃的気分が助長された。あるいは明日をも知れぬ特効出撃前の刹那的気分から生じたのかとも思える。
 翻って、現在の日本を取り巻く国際関係からすれば、このような諸現象が再現されることは充分予測できる。

“秘密保全法”は治安維持法の復活
一方で、もし計画中の“秘密保全法”が実現すれば、対外的不如意が内攻して、この法律などを武器に社会的締め付けが強まり、人権侵害が多発するであろう。つまり、かつての治安維持法の“表紙を変えた”復活である。
 最近の世論調査では、国民の凡そ半分が政党支持なしと答えている。いわば、政治不信の表れであろうが、議会政治、政党政治が潰れれば、その結果は憂うべきことになるのは明らかだ。すでにそれを暗示するような動きが見られる。大いに警戒を要する。“秘密保全法”の上程は絶対に阻止すべきだ。
(会員 N)
by beshi50 | 2012-11-19 17:03 | 資料 オリジナル | Trackback | Comments(0)