人気ブログランキング | 話題のタグを見る

特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

秘密保全法に反対する愛知の会の結成総会への参加を呼びかける

秘密保全法に反対する愛知の会の結成総会への参加を呼びかける

 準備会の暫定代表である中谷雄二弁護士からの、結成総会参加への呼びかけメールをアップします。

          ◇        ◇

ご無沙汰しています。
弁護士の中谷雄二です。
 今回は、秘密保全法に反対する愛知の会の結成総会のご案内をするためにメールをださせていただきました。

 昨年12月、政府は有識者懇談会の報告書に基づき、秘密保全法を、今国会に提出する方針を明らかにしました。
 この報告書で示された秘密保全法制は、かって1985年に成立がもくろまれ、国民の反対運動で廃案に追い込まれた「国家秘密法」を上回る危険なものです。

 秘密の対象範囲を、外交、防衛上の秘密に限らず、「公共の安全と秩序の維持」に関する秘密まで行政庁自身が「特定秘密」と指定すれば、その秘密の過失による漏示や教唆まで処罰されます。

 さらに、公務員だけでなく、秘密に関わる民間人も含めて、秘密を扱う「人的管理」として、適性評価を行うこととなっており、その適性を調査するために、影響を与える「家族や友人」まで調査範囲が広がります。

 秘密の対象範囲を広げ、秘密指定は行政が一方的に指定し、それに関わる可能性のある民間人の「家族や友人」まで調査をするということが行われれば、秘密保全の名の下で、国家による国民の監視が行われ、プライバシー侵害が横行するおそれがあります。

 共通番号制の制定と併せて考えると、国家は国民の全ての情報を握り、国民には政府の情報は与えないというのが、目指している国だということがわかります。大阪で橋下知事が思想調査を行ったということが話題になっていますが、同じような調査が秘密裏に法的裏付けの下で行われるのです。

 私は、戦前、戦後の他国の歴史に鑑みれば、このような法律の制定は、一旦、それを許せば、社会自体が大きく変質する可能性があると危惧しています。
 権力による監視社会、権力の認める適格者と非適格者、その人の行動ではなく、思想によって差別され、排除され、処罰される社会、そして、権力の濫用をチェックする機能を亡くした社会に起きるのは権力によるでっち上げとむき出しの権力行使だと思います。

 戦前のわが国の軍機保護法・国防保安法で処罰された事例を見れば、広く世界中に知られている情報ですら、「軍機」とされ、懲役刑を科された実例があります。それは、友人や家族間での会話すら処罰の対象とされたのです(上田誠吉「戦争と国家秘密法」イクオリティ)。学生が、旅行した先での見聞を大学の英語教師に語ったことを軍機保護法違反として懲役15年の実刑判決を受けた実例もあります(上田誠吉「国家秘密法の爪痕 ある北大生の受難」(朝日新聞社))。

 そして、それは戦前の話だけではありません。戦後も軍事対立を背景にした隣の国韓国で、戦前日本の秘密保全体制を引き継いだ国防保安法によって、ある日突然、スパイと疑われ、拷問され、死刑や長期の懲役刑に処せられた多くの人々がい、それが如何に酷い人権侵害を引き起こしているか(徐俊植「自生への情熱-韓国の政治囚から人権運動家へ-」(影書房))、また、一旦、その社会が軍事的論理を優先した社会になれば、その克服と民主化がどのように困難か(韓洪九「倒れ行く韓国-韓洪九の韓国現代史」「韓洪九の韓国現代史Ⅱ」(平凡社))ということが事実として存在します。

 戦前の歴史や隣国の経験は単なる枕言葉としてではなく、私たちがこのような法制を必要とするのか、その法律を作ることがどのような結果を招くのかを想像するためにも、不可欠な知識として知らなければならないのではないでしょうか。

私は、極めて偏狭な社会となりつつある日本にとって、健全な権力批判の言説が社会の中で力を失ったようにさえ見えるこの日本の社会に、政府による秘密保全法制の制定は、自由にとって人権にとって致命的な打撃を与えかねないと思います。

 有識者懇談会の議事のメモすら廃棄したといって議論の経過すら明らかにしない姿勢やその内容の曖昧さに批判が起こり、今国会の法案提出は見送ったと報道されています。
 しかし、次期国会に提出したいと言っているのです。
 私たちは法案提出をあきらめるまで反対の声を広げ、運動を強める必要があります。

 そのために、秘密保全法に反対する愛知の会の結成総会は絶対に成功させる必要があります。是非、知り合いの方も誘いあって参加してください。あきらめたり絶望する前に一緒に行動をしましょう。


             2012年3月24日
                      弁護士 中谷雄二
         ◇        ◇


秘密保全法に反対する愛知の会 結成総会
2012年4月2日(月) 18:30-20:30
 ウイルあいち セミナールーム
アクセス: http://will-aichi.c-3.jp/map.html

どなたでも参加して頂けます。
 参加無料です。

 が、準備会としては、当日会場にいらした方には是非「秘密保全法に反対する愛知の会」の会員になっていただきたいと希望しています。
 心づもりをして頂けると幸甚です。
(個人会費=1口1000円、団体会費=1口3000円の予定)

 当日はネット中継を行います。遠方の方は以下をご覧ください。
 http://www.ustream.tv/channel/iwj-aichi1
by beshi50 | 2012-03-24 15:18 | お知らせ・報告など | Trackback | Comments(0)