特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
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藤田早苗氏が英文で秘密保護法論稿を投稿

イギリス・エセックス大学講師の藤田早苗氏が、エセックス大学に秘密保護法に関して
論稿を投稿し、掲載されました。ぜひご活用ください。

1 August 2014 By Sanae Fujita
The Japanese Secrecy Act: A Serious Step Backwards for Transparency, Human Rights and Democracy
http://blogs.essex.ac.uk/hrc/2014/08/01/the-japanese-secrecy-act-a-serious-step-backwards-for-transparency-human-rights-and-democracy/#more-207

・PDF版 http://www.nagoya.ombudsman.jp/himitsu/2014Aug1.pdf


昨年の強行採決から先月の国連自由権規約委員会の勧告までを手短に紹介してあります。
特別報告者の声明やハルペリン氏の発言、自由権規約へのカウンターレポート、勧告へのリンクもはってあります。

また、ジュネーブで2014年7月15,16日に開催された「国連の市民的及び政治的権利に関する委員会」で
配布した「黒塗り資料」の写真も入れてあります。

なお、秘密保護法への国際社会からの批判の詳細は藤田早苗氏が執筆した
「国連人権条約から見た秘密保護法の問題性」海渡雄一、清水勉、田島康彦 編
『検証秘密保護法 何が問題か―検証と批判―』(岩波書店 2014年)163-175頁も
ご参考ください。

以下、日本語訳を、秘密保全法に反対する愛知の会 国際情報部会の酒井健次さんが行いました。

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日本の秘密保護法:透明性、人権と民主主義に対する深刻な後退
                              エセックス大学 藤田早苗

 2013年12月6日、日本の国会は広範な国民の抗議の中で、秘密保護法の採決を強行した。この採決のとき、国会議事堂の周りでは、1万人以上の人々が抗議の意思表示をしていた。日本全国で広範囲な反秘密保護法運動が行われた。人々はこの秘密保護法が国民の情報を知る権利にとって否定的は影響を及ぼし、更に日本が過去に犯した過ち、即ち、戦争への道を開くのでないかとの懸念をもっている。日本では、先の戦争(日中15年戦争、太平洋戦争、或いは大東亜戦争などと言われている戦争;訳者註)は政府による秘密とごまかしが、戦争を起こす上での要因の一つとなったと信じられている。

 日本は民主的で経済的に発展した国であり、人権問題の分野で大きな議論を引き起こしてはいない。しかしながら、秘密保護法の成立は日本に於ける人権状況の深刻な後退を示すものである。

透明性の欠如と審議過程の非民主性

 秘密保護法は昨年の9月に作成されたのではあるが、日本政府はこの法律に対する2週間のパブリックコメント(意見公募)をおこなった。限られた時間枠であったにも拘らず、90480件のパブリックコメントが寄せられ、そのうち69579件は法案に反対するものであった。しかし、多くの市民の意見は政府によってしかるべく取り入れられることはなく、法案作成の過程は秘密とされ極めて非民主的な方法で行われた。市民運動をしている幾つかのグループは法案作成の過程についての情報開示を要求したが、彼らが受け取ったのは”編集済み”の文書であった。(黒塗り文書の写真)
 法案は最終的に、内閣が法案を承認した2013年10月25日に開示されたが、このときには法案の通過まで僅か6週間を残すのみであった。結局、衆議院での質疑・応答が行われたのは僅か41時間、参議院でのそれはたったの22時間であった。これに比べて、南アフリカ共和国が秘密法を作成したときには、政府はその起草に2年以上をかけ、国際的な学識経験者や市民社会による法案についての議論を行った。このような議論や学識経験者のアドバイスがないことによって、日本の秘密保護法案の内容は極めてお粗末なものになってしまった。アメリカの国家安全保障に関する専門家は「この法律は21世紀に民主的な政府が考案したものの中でも最悪のものである」と述べた。

国際社会からの批判

 昨年11月、国際社会によってこの法案について深刻な懸念が表明された。エセック大学の卒業生である友人の助けを借りて、私はこの法案を英語に翻訳しARTICLE19(表現の自由に関する代表的なNGO)と表現の自由に関する国連特別報告者のFrank La Rue氏に送った。これらの人々はこの法案が情報を知る自由に対する脅威となる可能性を含むと結論し日本政府に対する公式の声明を発表した。

 ラ・ルー氏は「法案は秘密にされる範囲が非常に広くまた明確でないばかりでなく内部告発者及び秘密に関して報道したジャーナリストに対しても深刻な脅威をなる」ことを指摘した。ラ・ルー氏はまた、情報の公開に対してこの法律によって制定されている罰則について注意を喚起し、「善意によって、法律違反或いは公的機関の不正行為を公表した公務員は法的処罰から守られるべきであること」を強調した。

 ラ・ルー氏の声明は国連の健康の権利に関する特別報告者のAnand Grover氏との連携の下に発表された。グローバー氏は2012年に福島を訪問した。グローバー氏は緊急事態においては情報の完全な透明性が必要であることを強調した。しかし、安倍晋三首相はこれら特別報告者の声明に注意を払わなかったし、国会においてラ・ルー氏は問題の法案について誤解しており、ラ・ルー氏の意見は国連人権理事会から発せられたものでないと述べた。

 国連特別報告者の声明はこの法案に対する国際的な認識となった。2013年12月3日の国連人権高等弁務官Navi Pillay氏の記者会見において、この法案についての質問が提起された。ナビ・ピレイ氏はそれに対する応答の中で、「日本政府は何よりも日本国憲法と国際人権法によって保障されている情報へのアクセスと表現の自由に対する適切な保証措置を講ずるべきであり、それなくして、法案の成立を急ぐべきでない」と主張した。更にまた、日本政府は国民の懸念の声に耳を傾けるべきだとも主張した。

 このピレイ氏の声明は日本の自民党を怒らせた。何人かの自民党議員はピレイ氏の声明は内政干渉であり、ピレイ氏は高等弁務官失格だと論じた。自民党外交部会議長の城内稔氏は、「なぜこのような事実誤認の発言をしたのか、調べて回答させるべきだ。場合によっては謝罪や罷免(要求)、分担金の凍結くらいやってもいい」と述べた。(2013年12月5日付毎日新聞)

 安倍首相は国会においてジュネーブの外務省日本代表部はナビ・ピレー氏と会談し政府が、国会が適切なチェックアンドバランスを確保するように、法案の修正をしていることを伝え、ピレー氏も納得したと述べた。しかし、国連の人権高等弁務官事務所によれば、ピレー氏は法案が修正されたことについては了解したが、彼女は依然として法律の最終案について日本政府と議論を続けることを望んでいる。即ち、ピレー氏は依然としてこの法律に懸念を持っているのである。この議論を進めるためには、日本政府が公式に法律の公用語への翻訳をする必要があるが、翻訳の作業は大変遅れており、公式の翻訳はやっと7月に公表された。ピレー氏の任期は2014年7月までであり、はたして、ナビ・ピレー氏がその任期中に日本政府との議論を再開できるかどうかははっきりしない。

独立検証機関?
 国際人権法は締約国に対して、情報へのアクセスを制限する法律には独立した監視機関を設置することを要請している。しかし、日本においては、権威ある独立の監視機関が設置されていない。日本政府は法案を修正し監督機関(1つの外部アドヴァイザーによる委員会と3つの政府機関による委員会)を付け加えたが、外部アドバイザーの委員会は個々の特定秘密指定或いは指定解除を扱うことは出来ない。その他の政府機関による委員会は独立性はないし監視能力も無い。

 政府によるこれらの機構に加えて、国会の常置委員会が衆参両院それぞれ僅か7時間の議論の結果設立された。真っ当な議論が行われなかったので、その委員会についての法案に含まれる様々な弱点は修正されなかった。例えば、当該委員会は何らかの内部告発をすることを容認することはないし、情報の非開示の決定が不適切であるとことを決定する強制力も無い。

国連の市民的及び政治的権利に関する委員会による再検討

 2014年7月15,16日の2日間、「国連の市民的及び政治的権利に関する委員会」は日本についての定期審査を行った。この会議において、日本の市民団体は、秘密保護法をヘイトスピーチの問題と共に、2つの優先すべき重要問題の一つとして選んだ。この法律に対するカウンターレポートが、弁護士連合会や19のNGOの連合体のような日本の複数の団体から会議に提出された。更に、Amnesty InternationalおよびOpen Society Justice Initiative がレポートを提出した。
 秘密保護法は2014年12月までは施行されることは無いが、法律の条項が萎縮効果を齎すと予想されるために、委員会の委員の注目を集めた。Anja Sebert-Fohr(ドイツ)氏の日本政府代表団への質問に続いて、委員会の議長、Nigel Rodly教授は、そもそもどうしてこんな法律が必要になったのかを尋ねた。
 委員会はその最終所見において、秘密保護法は秘密指定について曖昧で広範囲の事柄を含んでおり、また、重大犯罪に匹敵する重罰を設けていることから、ジャーナリストや人権擁護活動家の活動に萎縮効果を作り出す可能性があることについて懸念を表明した。更に、最終所見は、日本政府がこの法律とその適用に際して自由権規約19条が定めている厳しい条件に沿って運用されることを保証するためのあらゆる必要な方策を講ずるべきであると述べている。

 この最終所見は大きな成果であり、また日本における秘密保護法制に反対している人々に対して、大きな励ましとなるものである。日本政府に日本における情報の透明性と人権のための行動を取らせるための挑戦はこれからも続く。
(訳; 国際情報部会 酒井 健次)


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by beshi50 | 2014-08-04 22:37 | 国際情報部会 | Trackback | Comments(0)