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特定秘密保護法に反対するため、弁護士や市民が「秘密法と共謀罪に反対する愛知の会」を結成しました。各地のイベント、最新ニュースも載せます。集団的自衛権にも反対です。https://www.facebook.com/nohimityu


by beshi50
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秘密保護法 国連人権理事会特別報告者の懸念に対する回答が非公開

NPO法人 情報公開市民センターが内閣情報調査室に情報公開請求をしたところ、
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の独立人権専門家フランク・ラ・ルー氏が
2013/11/22に表明した秘密保護法に懸念に対する日本国政府回答案11/27が
内容全面非公開(3号)になりました。
 決定書 http://www.ombudsman.jp/data/140131-2.pdf
 開示文書 http://www.ombudsman.jp/data/H25-11.pdf
内閣情報調査室から外務省に送付された意見及び外務省から内閣情報調査室に
送付された公電案の具体的な内容が記載されている部分については、
公表されてない国連人権委員会特別報告者からの書簡に対する我が国政府の
意見が記載されており、公にすることにより、他国若しくは国際機関との信頼関係が
損なわれるおそれや交渉上不利益を被るおそれがあることから、法第5条第3号に
該当するため不開示とした。

また、外務省がOHCHRに出す公電案も全面非公開(3号)でした。
(なお、外務省作成のトーキングポイント(Specified State Secrets P~1.docx)が
 開示対象になっていなかったため、内閣情報調査室に問い合わせたところ、
 「11月時点では案であり、内調ファイルには12月に綴ってある。
  11月分としては開示対象から外しており、12月分決定時に公開対象とする」と
 回答がありました。
 そもそもこれまですべて条文などは案であり、ファイルに綴る時期をずらす運用は
 おかしいので、決定をやり直して11月分に入れるつもりはないかどうか確認したところ、
 「決定をやり直す」としました。
追加決定(内容非公開) http://www.ombudsman.jp/data/140228.pdf

国連関係者に非公式に問い合わせたところ、以下回答を得ました。
・声明文を出す前は基本的に必ず相手国政府に書簡を出すので、今回も特別報告者から
 日本政府宛に送られたはず。
・送られたとしても、その文書自体は(少なくとも国連は)公表しませんが、送ったという事実と
 その短い要約が、四半期ごとに公表されるはずです。12月のことなので、あるいは今度の3月に
 公表されるのではないか。
・政府は「国連から送られた書簡が公表されていないので、我々のその書簡に対する回答を
 公表すると信頼関係が損なわれる」などとありますが、これは根拠がほぼゼロと言っていいと思います。
 特別報告者が日本に送った書簡の内容はどうせ声明文と全くと言っていいほど同じもので、
 その声明文が公になって周知の事実になっているので、日本政府の方でその書簡が公開できないと
 いう理由にはなりません。そもそも国連が公表しないこのような書簡は相手国政府によって
 公表されることが日常茶飯事なのでそれを前提に書いており、国連のほうで「公表してほしくない」と
 相手国政府に伝えることは決してありません。

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なお、11月はもちろんのこと、12月は人権高等弁務官(トップ)のナビ・ピレイ氏が
懸念を表明しています。
それに対しても、「説明したところ評価いただいた」と安倍首相は説明しています。

以下、イギリス・エセックス大学の藤田早苗さんの説明です。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/117808
 国連人権高等弁務官のナビ・ピレイ氏も、「何が秘密を構成するかなど、いくつかの懸念が
 十分明確になっていない。国内外で懸念がある中で、成立を急ぐべきではない。政府が
 どんな不都合な情報も秘密として認定できてしまう」と、日本に慎重な審議を促したが、
 安倍首相は「外務省によると、修正が施され、国会がチェックアンドバランスの役割を
 果たしているということについて評価をいただいている」とコメント。これについて、
 藤田氏は「事実関係が明らかでなく、意味不明。今後、海渡弁護士らが調査する予定だ」と
 述べた。
http://threechords.blog134.fc2.com/blog-entry-2012.html
 少なくとも、ラ・ルー氏のアシスタントは、「そんな話は聞いていない」「それはないだろう」
 と否定したと、藤田氏はIWJ岩上氏のインタビューに答えている。

すくなくとも安倍首相は国民に対して、国連への回答について事実を説明すべきです。

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以下参考

・国連広報センタープレスリリース 13-087-J 2013年11月28日
 「日本の特定秘密保護法案は透明性への脅威」-国連の独立人権専門家
 フランク・ラ・ルー氏 日本語版
 http://www.unic.or.jp/news_press/info/5737/
 原文(英語)
http://www.ohchr.org/RU/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14017&LangID=E
・伊藤 和子 弁護士
 国連専門家:「特定秘密保護法案は透明性を脅かすものである」ジュネーブ(2013年11月21日)
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20131123-00030043/
・日弁連 自由権規約 報告書審査
 http://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/human_rights/liberty_report.html
・NGO 国際人権活動日本委員会
 http://jwchr.s59.xrea.com/  
・NPO法人 情報公開市民センター「特定秘密保護法に反対します」
 http://www.jkcc.gr.jp/menu6.html

秘密保護法 国連人権理事会特別報告者の懸念に対する回答が非公開_c0241022_1413194.jpg

↑開示された、国連人権理事会特別報告者の書簡に対する回答(案)
by beshi50 | 2014-03-07 23:59 | 資料 オリジナル | Trackback | Comments(0)